運送会社でパワハラを受けた場合はどうしたらいいの?
具体的な事例や対策、証拠として残しておいたほうがいいものは?
本記事ではあなたのこんな疑問にお答えします。
- 運送会社のパワハラ事例【体験談あり】
- パワハラされやすい人の特徴3選
- パワハラへの対処法と証拠になるもの
パワハラは決して許される行為ではありませんが、事実として運送会社ではパワハラが起こっています。
パワハラを受け続けた結果、精神的に追い詰められることで激しい動悸やパニックなどの後遺症に苦しんでいる方も少なくありません。
そうならないために、パワハラを受けた場合の対処法や事例を知っておくことが非常に重要です。
本記事ではパワハラの事例や対処法、証拠となるものなどを実体験を交えて解説しているのでぜひ参考にしてください。
当ブログ「toradorablog」ではパワハラ会社から、転職サイトを利用して完全土日休みのホワイト企業へ転職成功しています。それらの経験をもとに解説します。
【トラックドライバーへのいじめ】運送会社のパワハラはどんなものがある?
厚生労働省が発表しているパワーハラスメントの定義によると、以下3つの要素をすべて満たすものがパワハラとされています。
- 優越的な関係に 基づいて (優位性を 背景に) 行われること
- 業務の適正な 範囲を超えて 行われること
- 身体的若しくは精神的な苦痛を与えること、又は就業環境を害すること
業界によって起こりやすいパワハラがあり、運送会社で実際に起こっているパワハラは以下のようなものがあります。
- 殴る蹴るといった身体への物理的暴力
- 厳しい言葉や大きな声で精神的な攻撃
- 自分だけ回るのがキツイ配車を組まれる
- 自分だけ毎回休日出勤をさせられる
- 無視や仲間外れにされる
- 【実体験】実家の電話番号を貼りだされる
殴る蹴るといった身体への物理的暴力
悲しいことですが、殴る蹴るといった暴力は未成年のいじめだけでなく運送会社でも実際に起こっています。
運送会社で身体への物理的攻撃が起こりやすい理由は、時間に追われることからくるイライラやストレスといった背景があります。
また、運送業は肉体労働のため、もともと気性の荒い人種が集まりやすいことも理由の1つといえるでしょう。
たとえば以下のようなパワハラが実際に起こっています。
- 胸ぐらを掴んで恫喝する
- ヘルメットの上から頭をたたく
- 物を投げつけてくる
2020年にヤマト運輸の福岡にある営業所でも実際に上司から部下への暴力行為が行われています。
指導に熱が入りすぎたあまり手が出てしまう人もいるようですが、許されることではありません。
厳しい言葉や大きな声で精神的な攻撃
上司が部下に対して人格を否定するような言葉で激しく叱るパワハラです。
直接暴力をふるってくるわけではなく、威圧的な態度や以下のような言葉で部下を精神的に攻撃してきます。
- 馬鹿
- ふざけるな
- 役立たず
- 給料泥棒
- 死ね
- さっさと辞めろ
ほかにも朝の朝礼など、大勢が見ている前で激しく怒られることも精神的なパワハラにあたります。
こちらのビッグモーターのパワハラ音声がまさに典型的なパワハラの例です。
※非常に生々しい過激な言葉や怒鳴り声が流れます。パワハラが原因でうつ病になってしまった方は閲覧をお控えください。
ビッグモーターのパワハラ音声を聞いて一日も早く店がなくなって欲しいと思った👊 pic.twitter.com/00QoHrIbSz
— ポム (@shironekochan10) August 18, 2023
自分だけ回るのがキツイ配車を組まれる
他の人は余裕があるスケジュールなのに、自分だけ明らかに回るのがキツイ配車を組まれることもパワハラやいじめの一種です。
単純にダメな配車係である可能性もありますが、配車で嫌がらせや追い込みをかけてくる場合もあります。
もしかしたら、「あなたは仕事ができる人だから」といってくるかもしれません。
しかし、改善するように言っても明らかに自分だけカツカツの配車を組まれ続けるようならパワハラやいじめです。
自分だけ毎回休日出勤をさせられる
土日祝休みの会社なのに、毎週自分だけ休日出勤を強いられることがあります。
たまにであったり、他の人も休日出勤しているならパワハラではありません。
しかし、断りを入れているにも関わらずあなただけが毎回休日出勤をさせられるようならパワハラです。
無視や仲間外れにされる
仕事で聞きたいことがあっても無視され、新しい納品先などの重要な情報を共有してもらえないパワハラです。
小中学生などのこどもによく起こりやすい、いじめの社会人版ともいえます。
無視される場合は、他のパワハラも同時に行われていることが多いです。
【実体験】実家の電話番号を貼りだされる
私が2013年にヤマト運輸でセールスドライバーとして働いていた時に受けたパワハラです。
当時の上司によって営業所のだれでも見れる場所にある柱に、私の実家の電話番号をデカデカと紙に書いて張り出されました・・
私が寝坊して遅刻した際に、私の携帯電話に連絡がとれなかったことが原因です。
当然遅刻した私が悪いですし、まだ入社して1年目(23才)だったこともあり、激怒した上司には怖くて何も言えません。
しかし、さすがにやりすぎたと先輩が言ってくれたようで、3日後には紙が外されていました。
経験がある人ならわかると思いますが、圧倒的に上の立場の人間から高圧的に攻められればなかなか反論できないものです。
以上が運送会社で特に起こりやすいパワハラです。
そしてこういった悪質なパワハラが起きるブラック企業には特徴があり、情報を知っていれば事前に回避する事もできます。
以下の記事では、入ってはいけない運送会社の特徴や、反対にまともな会社の特徴を解説しているのでぜひ参考にしてください。
>>【悪質なブラック企業】入ってはいけない運送会社一覧を暴露
運送会社でパワハラされやすい人の特徴3選
運送会社ではパワハラを受けやすい人と全く受けない人がいますが、どういった人がパワハラを受けやすいのでしょうか?
運送会社でパワハラの対象になりやすい人の特徴は以下の3つです。
- 仕事でミスや失敗が多い
- コミュニケーションが取れていない
- 気が弱く自分の意見を言わない
特徴①仕事でミスや失敗が多い
運送業界は時間との戦いや正確な仕事が求められる業界のため、仕事でミスや失敗が多い人はパワハラを受けやすい傾向があります。
たとえば荷物の配達先を間違えたり、納期を守れなかったりなどのミスが考えられます。
こういったミスが続くと、上司や同僚からの信頼を失い、厳しい指導や叱責を受けることが増えるでしょう。
また、運送業界はチームワークが非常に重要です。
一人のミスがチーム全体の評価に影響することもあるからです。
そのため、ミスが多い人は他のメンバーから非難やパワハラを受けやすくなります。
特徴②コミュニケーションが取れていない
普段から勤務先で上司や同僚とコミュニケーションがうまく取れていない人は、孤立したり人間関係のトラブルに繋がりやすいです。
そのため、パワハラのターゲットになりやすい傾向があります。
それだけでなく、荷物の納期や配達先の変更情報を正確に伝えられなかったために、業務に支障をきたすというケースが考えられます。
結果、ミスや失敗をしやすい人にもなるのでパワハラされやすい人へ近づいていっていまいます。
特徴③気が弱く自分の意見を言わない
気が弱く、自分の意見を言わない人は無理な要求や暴言に対して反論しないため、パワハラのターゲットにされやすいです。
過度な業務量や無理なスケジュールに対して、自分の意見や提案を伝えられないため、体調を崩すことや業務のミスが増える可能性もあります。
また、自分の意見を言わないことは他のメンバーや上司から見ると、興味や意欲がないように受け取られることもあります。
このような誤解が生じると、業務の評価や人間関係にも影響を及ぼすことが考えられます。
以上の特徴に当てはまる人は運送業でパワハラを受けやすい傾向があります。
しかし、だからといってパワハラは許されるものではありません。次の章ではパワハラを受けた際の対処法を解説します。
運送会社でパワハラを受けた際の対処法3選
運送会社で万が一パワハラを受けてしまった時の対処法は以下の3つです。
- パワハラの証拠を集める
- 法律事務所など第三者へ相談する
- パワハラのない運送会社へ転職する
対処法①パワハラの証拠を集める
パワハラを受けた際に最も重要なのは証拠をしっかりと集めることです。
なぜなら証拠があることで、後々の対応や相談がスムーズに進むからです。
たとえば、運送業界では無理なスケジュールや過重な業務量を強いられた場合、スケジュールや指示を示す書類、メール、メモなどを保存しておきましょう。
また、パワハラの発言や行動を目撃した同僚や他の従業員がいれば、証言も非常に価値があります。
具体的な日時や場所、発言内容などを詳細に記録しておくことをおすすめします。
さらに、スマートフォンやボイスレコーダーなどを利用して、不適切な発言や行動の音声や動画を記録することも効果的です。
※ただし、秘密録音や録画は法的な問題が生じる可能性があるため、注意しましょう。
対処法②法律事務所など第三者へ相談する
パワハラに対して自分一人で戦うのは非常に難しく、組織の中で孤立してしまうと精神的にもしんどくなります。
そのためパワハラされた場合は、第三者の視点や専門的な知識を持つ法律事務所や相談機関への相談が非常に有効です。
たとえば、運送業界に詳しい弁護士や労働相談所は、業界特有の問題や対応策を知っています。
具体的なパワハラの事例や証拠をもとに、どのようなアクションを取るべきか、またどのような権利があるのかを教えてくれます。
そして第三者への相談は、自分の感じていることや考えていることを整理する良い機会となります。
感情的になりがちな問題を冷静に見つめ直し、適切な対応策を考えるサポートを受けることができるのもメリットです。
まずは厚生労働省の総合労働相談コーナーなどの無料相談機関に連絡してみましょう。
対処法③パワハラのない運送会社へ転職する
自身の体や心を守るために、最終的な選択肢として転職も検討してみましょう。
特に、現在の職場でのパワハラが改善される兆しが見られない場合や、組織全体の風土が問題を抱えていると感じる場合は、新しい環境で再スタートしたほうが現実的です。
会社をやめることは逃げではなく、自分を守るための最善策である可能性があります。
世の中にはホワイトでパワハラのない運送会社はいくらでもあるので、一歩踏み出してみてはどうでしょうか?
以下の記事では私も利用した、トラックドライバーにおすすめの転職サイトを5つ厳選したのでぜひ参考にしてください。
>>パワハラのない会社へ!トラックドライバーのおすすめ求人・転職サイト5選
運送会社のパワハラに関するよくある質問
パワハラ運送会社に関する、以下のよくある質問にお答えします。
- パワハラの証拠になるものは?
- ハラスメントを行った社員に対して、会社が取る可能性のある処分は?
- どこまでがパワハラにあたりますか?
パワハラの証拠になるものは?
パワハラの証拠となるものには以下のものがあります。
- 書類やメール: 上司や同僚からの指示、評価、叱責などの内容が記載された書類やメールは、パワハラの証拠として非常に有効です。特に、過度な業務量や無理なスケジュールを強いられた際の指示書やメールは強力な証拠になります。
- 音声や動画の記録: 不適切な発言や行動を捉えた音声や動画は、明確な証拠となり得ます。ただし、秘密録音や録画は法的な問題が生じる可能性があるため、注意が必要です。
- 目撃者の証言: パワハラの場面を目撃した同僚や他の従業員の証言は、非常に価値があります。具体的な日時や場所、発言内容などを詳細に伝えてもらいましょう。
- 日記やメモ: パワハラを受けた際の状況や感じたことを日々記録しておくことも、後々の証拠として役立ちます。具体的な日時や場所、発言内容、自分の感じたことなどを詳細に記録することをおすすめします。
- 医師の診断書: パワハラによる精神的なダメージや体調の不調を訴える場合、医師の診断書やカウンセリングの記録などが証拠として有効です。
ハラスメントを行った社員に対して、会社が取る可能性のある処分は?
会社によって対応は異なりますが、以下のような処分が主に下されます。
- 口頭注意・書面による注意:ハラスメントの内容や度合いが軽度の場合、最初のステップとして口頭での注意や書面による注意が行われることが多いです。
- 教育・研修の受講命令:ハラスメントの理解を深め、再発防止を図るために、関連する教育や研修の受講を命じられることがあります。
- 職務の変更:ハラスメントの被害者と加害者との関係を断ち切るため、加害者の職務を変更することが考えられます。これには、部署の異動や業務内容の変更などが含まれます。
- 減給・賞与の削減:ハラスメントの度合いや内容に応じて、給与の減額や賞与の削減が行われることがあります。
- 停職・出勤停止:重度のハラスメントや再発防止のために、一定期間の停職や出勤停止という処分が下されることが考えられます。
- 解雇: ハラスメントの内容が非常に重大である場合や、再発を繰り返すような場合には、最終的な処分として解雇が検討されることがあります。
- 法的措置:重大なハラスメントの場合、被害者が法的措置を取ることも考えられます。その際、会社も加害者に対して法的な措置を取ることが考えられます。
どこまでがパワハラにあたりますか?
以下は、一般的にパワハラと認識される行為の例です
- 身体的な暴力: 殴る、蹴る、物を投げつけるなどの身体的な攻撃
- 言葉による攻撃: 侮辱、罵倒、嫌がらせ、過度な叱責など
- 過度な業務命令: 人間的に達成不可能な業務の命令や、業務に関係ない命令
- 業務の妨害: 必要な情報を提供しない、業務上の意見や提案を無視するなど
- 過度な監視: 常に監視下に置く、私的な時間や空間を侵害するなど
- 人間関係の排除: 会話や情報共有から除外する、孤立させるなど
- 過度な評価: 業務の成果に関わらず、過度に低い評価を下す
- プライバシーの侵害: 個人的な情報や過去の経歴を無関係な場で暴露するなど
ただし、以下のような場合は、一般的にパワハラとは認識されないことが多いです
- 適切な業務指示: 職務上必要な指示やアドバイス
- 正当な評価: 業務の成果や態度に基づく適切な評価
- 業務上の必要な注意: 安全や業務の質を確保するための注意や指摘
運送会社でパワハラを受けたら自身の健康を一番に考える
だれがなんといっても、パワハラやいじめは絶対に許されない行為です。
今回ご紹介した対処法を試しても解決しない場合は、そんな会社はすぐにやめるべきです。
パワハラ被害にあってしまうと精神的に病んでしまう方も多いため、あなた自身の健康を第一に考えてください。