トラック運転手は年収1000万円稼げるの?
現実的に稼げる年収はいくら?
本記事ではあなたのこんな疑問にお答えします。
- トラック運転手が年収1000万円稼げない理由
- トラック運転手の平均年収【給料明細を公開】
- トラック運転手の年収を上げる方法
ひと昔前は1000万円稼ぐトラック運転手がごろごろいましたが、令和になった現在では99%のドライバーが1000万円稼げていません。
しかし、日本人の平均年収以上である600万円~800万円なら稼ぐことは可能です。
本記事ではトラック運転手が実際に稼いでいる年収や、年収1000万円近く稼ぐ方法も合わせて解説するのでぜひ参考にしてください。
当ブログ「toradorablog」の筆者は現役のトラック運転手として7年働いています。それらの経験をもとに解説します。
【結論】トラック運転手は年収1000万円稼げない
結論、2023年現在トラック運転手が年収1000万円稼ぐことは99%不可能です。
なぜならシンプルにトラック運転手が稼げる時代ではなくなったからです。
しかし、バブル全盛期やトラック野郎が流行っていた時代は1000万円稼ぐドライバーがごろごろいたのも事実です。
たとえば長距離の大型ドライバーや、ヤマト運輸、佐川急便といった宅配業でも1000万円稼ぐドライバーがごろごろいました。
かなりの重労働だったものの、佐川急便で1年働けば家が建つと言われていたくらいです。
それではなぜ現在のトラック運転手は稼げなくなってしまったのでしょうか?
規制緩和によりトラック運転手は1000万円稼げなくなった
1990年に施行された物流二法の規制緩和により免許制から許可制に変わったため、日本中に運送会社が乱立しました。
免許が無くても運送業界に参入しやすくなったため、運送会社同士の価格競争によるに荷主の取り合いが発生。
そして荷主から仕事を受けるために低賃金でブラック労働させる企業が激増したのです。
さらに価格だけでなく、積み込みや検品、商品陳列など付帯作業をドライバーがすべて請け負うサービスで差別化を図りました。
結果、長時間労働の割にあまり稼げない現在の運送業界が出来上がってしまったのです。
こういった背景があり、トラック運転手が年収1000万円稼ぐことは非常に難しくなりました。
トラック運転手は年収600万円~800万円なら可能
トラック運転手で年収1000万円は難しいですが、600万円~800万円なら十分狙えます。
実際にこちらの埼玉にある運送会社では平均年収600万円を実現されています。
ただし、600万円以上稼ごうと思ったら景気の良い運送会社や大型ドライバーであることが必須条件です。
基本的に大きいトラックほど給料が高くなるので、2t車で県内を回るような仕事では難しいでしょう。
トラック運転手の平均年収(車種別)
全日本トラック協会が発表した「2020年度のトラック運送事業の賃金・労働時間等の実態」によると、トラック運転手の車種別平均年収は以下のとおりです。
車種 | 1ヵ月あたりの平均給料 | 平均年収 |
---|---|---|
けん引 | 359,400円 | 4,312,800円 |
大型 | 348,100円 | 4,177,200円 |
中型 | 299,200円 | 3,590,400円 |
準中型 | 288,300円 | 3,459,600円 |
普通 | 280,700円 | 3,368,400円 |
全車種平均 | 329,700円 | 3,956,400円 |
こちらの表でわかる通り車両が大きくなるほど年収が上がり、大型以上だと平均年収400万円を超えます。
そして厚生労働省が発表した「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、日本人一般労働者の男女計平均賃金が311万8000円となっています。
以上のことからトラック運転手の年収が平均以上であることがわかります。
4トン地場トラック運転手の給料明細を公開
現役のトラック運転手として働く、私の実際の給料を公開します。
- 4トン中型
- 地場
- 地方中小企業
- テールゲートリフト車
- ルート配送
- 待機・休憩:合計2時間程度
期間 | 残業時間 | 総支給 | 手取り |
---|---|---|---|
入社~6ヵ月 (契約社員) | 0時間 | 190,500円 | 157,279円 |
6ヵ月後~ | 21.58時間 | 262,020円 | 210,263円 |
入社5年後~ | 32.88時間 | 309,168円 | 256,418円 |
基本給にもろもろの手当、残業代がついて総支給が約31万円になります。
仕事内容は楽で拘束時間も運送業では短い方にも関わらず、そこそこの給料をもらえています。
残業時間が1ヵ月あたり32時間で、年換算にすると384時間になります。
私の場合2024年問題には全く影響しませんが、残業代で稼いでいた長距離ドライバーは打撃を受けるでしょう。
2024年問題により長距離運転手の給料は減る
2024年4月からトラック運転手の時間外労働の960時間上限規制と改正改善基準告示が適用されます。
労働時間が短くなることで輸送能力が不足し、従来のように荷物が運べなくなる可能性があることを物流の2024年問題といいます。
ドライバーの長時間労働を減らして労働環境を改善するのが目的で施行された法律ですが、稼働時間が減る分給料が下がるドライバーも多いです。
たとえば今までは残業代や走行距離に応じて稼ぐ、歩合制を採用している運送会社が多かったため、そのような運送会社にいるドライバーの給料は間違いなく下がります。
そのため、中にはトラックドライバーを辞めて転職する人もいるようです。
しかし、ブラック労働がなくなりホワイトな働き方ができて私のように喜ぶドライバーも多いです。
トラック運転手の年収を1000万円に近づける3つの方法
現状トラック運転手が年収1000万円に近づける方法は以下の3つです。
- 大型トレーラーに乗る
- 運行管理者や危険物取扱者等の資格を取る
- Youtubeやブログ等の副業をする
方法①大型トレーラーに乗る
平均年収からもわかるように、トラック運転手の花形である大型トレーラーが一番お金を稼ぎやすいです。
特に先導車付きで大きい特殊貨物を運ぶようなトレーラーは給料が高い傾向にあります。
たとえば新幹線の車両や飛行機部品の運搬を任せてもらえるような、トップクラスのプロドライバーになると年収1000万円も夢ではありません。
そして2024年以降、路線便などはダブル連結の大型トラックで一気に運ぶように進めているため、大型トレーラー運転手の需要が高まると予想されます。
ダブル連結トラックは高速道路でたまに見かけるようになりましたね。
トラック運転手として年収1000万円を目指すなら、けん引免許は必ず取っておきましょう。
大型トレーラーの運転免許を一番安く取る方法は以下の記事でくわしく解説しているのでぜひ参考にしてください。
方法②運行管理者や危険物取扱者等の資格を取る
大型免許だけでなく運行管理者や、危険物取扱者乙4種の資格を取ると手当がついて給料が上がります。
乙4種をもっているとガソリンや毒物などを運搬できるため、仕事の幅が広がります。
さらに運行管理をもっていればドライバーでも点呼ができるため、小さい営業所では重宝されます。
運転手として働くのがつらくなってきても事務所に入ることも可能です。
人間の脳は年を取るほど新しいことが覚えづらくなるため、こういった資格は若いうちに取っておくことをおすすめします。
方法③Youtubeやブログ等の副業をする
トラック運転手の仕事の様子をYouTubeに投稿したり、ドライバーにしかわからない情報をブログ記事にすると稼げます。
顔出ししなくてもトラックの走行風景や、譲り合いなどの動画を投稿するだけで月に20万円稼いでいるYoutuberもいるくらいです。
さらにX(旧:ツイッター)でバズったことでドラマ化された「トラックめいめい」さんのように、トラック系インフルエンサーになると企業から依頼がくるかもしれません。
このように現役トラック運転手であることを武器にして、SNS発信するのも1つの手段です。
以上3つの方法を実践すれば年収アップし、1000万円に近づけます。
トラック運転手の年収に関するよくある質問
トラック運転手の年収に関する以下のよくある質問にお答えします。
- トラック運転手の賞与(ボーナス)はいくらが目安ですか?
- 大型ドライバーで月収60万円以上は可能ですか?
- トラック運転手がやめとけと言われる理由は何ですか?
トラック運転手の賞与(ボーナス)はいくらが目安ですか?
トラック運転手の賞与は基本的に低く、多くても基本給の3ヶ月分です。
トラック運転手の基本給は低く設定されていることが多いため、10万円~30万円が目安になります。
大型ドライバーで月収60万円以上(100万円)は可能ですか?
歩合制の運送会社なら月収100万円は難しいですが、60万円は十分可能です。
ただし、毎月60万円稼げるのではなく、稼げる月は60万円~80万円。
稼げない月は40万円など変動する可能性もあります。
以下の記事では100万円稼ぐのが難しい理由や、月50万円稼ぐ方法を解説しているのでぜひ参考にしてください。
>>トラック運転手は月収100万円稼げない!50万円なら可能
トラック運転手がやめとけと言われる理由は何ですか?
トラック運転手がやめとけと言われる理由は以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
>>トラック運転手はやめとけ!現役ドライバーが不人気な7つの理由を暴露
まとめ:トラック運転手だけで年収1000万円は難しい
2023年のトラック運転手は本業だけで年収1000万円は現実的ではありません。
しかし、600万~800万円なら十分目指せる範囲です。
2024年以降は大型トレーラーが重宝されるため、これからトラック運転手を目指すなら大型免許とけん引免許を取得することをおすすめします。
余裕があればさらに危険物取扱者や運行管理などの資格をもっておくとベストです。
こういった資格をもっていると、運送会社に採用されやすくなるといったメリットもあります。
また、ガンガン稼ぎたい人はトラック運転手だけで稼ぐのではなく、副業も検討してみてはいかがでしょうか?